論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

文法研究②

品詞の識別の続きです。前回は、全10種類ある品詞から付属語である「助詞助動詞」を見分けられるというところまででした。


後は、残りの8種類の品詞、(「名詞」、「動詞形容詞形容動詞」、「副詞連体詞」「接続詞感動詞」)の見分けです。


この中で「接続詞、感動詞」は見た瞬間に識別できます
なぜなら、「接続詞」はつなぎ言葉(しかし、だから、つまり等)だし、感動詞は感動や驚き、応答を表し、他から離れて用いる言葉(はい、まぁ、おや等)なので、意味を考えなくても形でわかるからです。


さて、ここからが本番です。残り6種類は(「名詞」、「動詞、形容詞、形容動詞」、「副詞、連体詞」)は主語、述語、修飾語に分けて識別します


名詞」は主語(体言)なので、「は」「が」をつけることができるので、それで見分けます。物事の名前を表す品詞ですね。


述語である「動詞形容詞形容動詞」は全て活用する(変化する)品詞です。
意味の上では「動詞」は動作や存在、「形容詞」「形容動詞」は様子や状態を表します。


ところで「動詞」は様々に変化をしますが、「形容詞」「形容動詞」は1つのパターンでしか変化しないので覚えましょう。


「形容詞」は語尾が「かろ、かっ、く、い、い、けれ」となるので、「美しい」という形容詞は「美しかろ、美しかっ、美しく、美しい、美しい、美しけれ」と活用します。


「形容動詞」は語尾が「だろ、だっ、で、に、だ、な、なら」となるので、「きれいだ」という形容動詞は「きれいだろ、きれいだっ、きれいで、きれいに、きれいだ、きれいな、きれいなら」と活用します。


ちなみに、「動詞」終止形(基本の形)「~ウ段」なので、書く、走る、笑う 等になります。
形容詞は「~い」なので、美しい、明るい、やわらかい 等で、形容動詞は「~だ」なので、きれいだ、静かだ、おだやかだ 等になります。


では少し問題をしてみましょう。


(問)次の①~⑤の言葉の品詞を答えてください。
 ①戦う  ②戦い  ③大切な  ④かわいい  ⑤かわいさ



(答え)①動詞 ②名詞 ③形容動詞 ④形容詞 ⑤名詞
 ②と⑤は「は」や「が」をつけることができるので、主語になり名詞です。合ってたでしょうか?今日はここまでにします。


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文法研究①

今回は品詞についてのお話をしたいと思います。
学校によってはあまり入試問題に出なくなっていますが、簡単に問題を作れるので、点数調整などで作問する可能性が高い分野だと思うため、やはりしっかり準備しておくべきだと思います。


品詞学習の最終目標は品詞を識別できるようになることです。
また、助動詞など同じ言葉で用法が複数あるものを識別させる問題は出題されやすいので、注意すべきでしょう


では、品詞の識別を考えましょう。
品詞は全部で10種類あり、ふつうは次の順番で習うことでしょう。
「名詞」、「動詞、形容詞、形容動詞」、「副詞、連体詞」、「接続詞、感動詞」、「助詞」、「助動詞」


品詞は大きく分けると「自立語(名詞、動詞、形容詞、形容動詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞)」と「付属語(助詞、助動詞)」に分かれます。


自立語は、それだけで文節を作れ、意味も分かるものです。
付属語は、自立語にくっついて意味をそえるもので、1つの文節に1つもない場合もあれば複数ある場合もあります。


例えば、次のような文があったとしましょう。


わたしは、ラーメンを食べたい。


これを、品詞に分解しようとするとこうなります。


わたし 、 / ラーメン を  / 食べ たい
名詞  付属語  名詞   付属語  動詞     付属語


「は、を、たい」はまだ品詞に分けていませんが、付属語なので助詞か助動詞になります。助詞と助動詞の違いは活用する(言葉が変化する)かどうかです。活用すれば助動詞です。活用するかどうか「ない」をつけて確かめてみましょう。


わたし は + ない ➡ ✖ 
ラーメン を + ない ➡ ✖ 
食べ たい + ない ➡ 食べ たく ない


「たい」だけ「たく」と活用したので助動詞です。
このように品詞の中から付属語である「助詞」「助動詞」は見分けられます。また、活用するかどうかで「助詞」と「助動詞」を見分けられます。助動詞は13種類ほどなので、がんばって全て覚えるのもいいでしょう


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指導留意点③

今回は指導者の予習についてお話したいと思います。
授業の前の予習をどのようにしているのでしょうか?


例えば文章題の場合はどうでしょうか?
生徒が問題を解くのと同じように文章をしっかり読んでから設問を考えた上で解答を確認するのか、あるいは、文章はサラッと読んで解答を確認するだけなのか


前者は時間がかかる予習のやり方で、後者は時間がかからない予習のやり方ですね


塾の先生の場合、仕事は授業だけではありません。保護者対応や説明会、組織目標を検討する会議などの様々な校舎運営の業務や、テストやテキスト、またはプリントを作成するなどの様々な教科業務があり、時期にもよりますがかなり忙しいことでしょう。


だからと言って、時間のかからない予習で授業に臨むのは良くないと思います。時間のかからない予習は、いわば解答ありきの予習です。そして、この解答は指導者側にしかないものです。当然、その問題を解く生徒側の気持ちは分かりません。特に、国語を苦手な生徒の気持ちが分からなくなるでしょう。だから、何を中心に指導すべきかが分からなくなります


また、時間のかからない予習では読み方指導はおざなりになり、設問からの解説中心になるかと思いますが、その時その時の理屈で解説しがちになり、一貫した指導はできていないのではないでしょうか?まさに何百通りと言っていいぐらいの解き方で解説することになると思いますが、それが今後その生徒が他の問題を解く時にいかすことができるとは思えません


国語の指導者にとって予習はかなり負担になります。しかし、ここであまり手を抜くと授業の質が落ちることを理解しなければなりません。何とか時間を作ったり工夫したりしながら実のある予習をしていかなくてはいけないと考えます。


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