論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

指導留意点②

前回の「一貫した指導と共に段階的指導」の続きです。


私が進学塾講師時代の話をします。毎年担当学年やクラスを各先生が割り当てて担当するのですが、同じクラスを持ち上がり、2年続けて担当することはあまりないのです。


私の場合は、6年生と他学年(3~5年)のどれかを担当するパターンでしたが、いずれにせよほとんど毎年知らないクラスを担当していました。


国語の先生は複数いましたが、同じテキスト、同じカリキュラムで指導するものの、はっきりいって指導内容は千差万別でした。読解指導1つとってみても、文章内容を確認して読み方を指導している先生もいれば、文章内容にはほとんどふれずに設問の解き方を指導する先生もいます。


どちらが良いのかというのは担当学年とクラス状況によって一概には言えないですが、「一貫した指導」や「段階的指導」という観点から考えると厳しいと言わざるを得ませんでした。


私は、読解指導については小学校3~4年は「誘導型の間接的な読み方指導」中心で、5年生は「直接的な読み方指導」中心、6年生は「設問」「記述」中心というイメージで指導していました。もちろんクラス状況によっては多少変えていました


たとえ6年生であっても、クラスの大半が文章を読めていないのに、「設問」指導ばかりするのは無意味なので、「読み方」の指導をみっちりしなければいけないことがあります。実際はこのケースは多いのです。


今回は文章が難しかったというのなら分かるのですが、そもそも読み方がはっきり分からないためしっかり文章を読んでいないケースが多いのです。6年生以前に読解指導で「設問」中心に教えられてきたら、6年生になるとこんなふうになり困る場合があります。


低学年でも「設問」中心の指導をすると瞬間的には成績が上がることもあるのですが、長い目で見ると「読み方」をマスターできず、難しい文章が出題される高学年で苦労することになりがちです


一貫した段階的な指導の大切さを痛感します。


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指導留意点①

中学受験に向けての「読解」「設問」「記述」などの話をしてきましたが、今回は指導する側が注意するべきことについて書きたいと思います。


小学校3~6年生対象に指導するとして、指導者は「一貫した指導と共に段階的指導」を念頭に置かなければならないと考えます。


「一貫した指導」というのは、指導する子供の学年が違っても、同じ考え方にもとずく方法で指導するということです


例えば、「読解」では説明文はまず「話題」をつかみ、次に主な「説明方法」を考える。「問題提起→答え」型、「並列」型、「対比」型のいずれが使われているのかを考え、「筆者の主張」を読み取ります。こうした読み方は、指導する相手が小学校何年生であれ同じ理屈で教えます。


しかし、ここで「段階的指導」という考えが出てきます。「段階的指導」とは、相手の習熟度に合わせて指導するということです。


小学校3年生相手に「問題提起」「並列」「対比」などの言葉は難しいので使いません。これらの言葉は5年生からでしょう。それまでは、「問いかけ」「並べる」「比べる」という易しい言葉を使います。


言葉と同様に教え方も違うはずです。


例えば、小学校3年生に対しては「何についての話かなぁ?」「何かと何かを比べながら話をしているのがわかるかなぁ?」と問いかけるでしょう。一方、小学校5年生に対しては「話題は何?」「説明方法はどの型を使ってる?」となるでしょう。


つまり、文章の読み方においては小学校3~4年生では指導者が誘導しながら教えるのに対して、小学校5~6年生では読み方を事前に具体的に教えておき、文章を読んだ後に考えさせて合っているかどうかを確かめさせながら教えます。


目的は同じでも手段が違うということですね。


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記述力養成⑥

記述力養成②~⑤までは、よく出るパターン
「相違点」「行動・様子の理由」「心情の変化」「具体化」を勉強してきました。
今回は、長い記述問題に取り組む上での基本的な心構えを書きたいと思います。


それは何かというと、解答に求められる字数や解答欄の大きさによって(字数指定をしない学校の場合)解答のポイントがいくつ必要なのかを予想してから解答するということです。


字数指定の場合、20~30字で解答のポイントが1つあると考えてください。


例えば、「40字で答えなさい」ならポイントは2つ、「60字で答えなさい」ならポイントは2~3つ、「100字で答えなさい」ならポイントは4つぐらいですね。


長い記述の場合、答えを書き出す前に解答のポイントの数を予想し、余白にどんなポイントを書くのかというメモを簡単に書き、それから書き出すのです


字数が多い記述を考えながら書いているとなかなか思い通りの解答が書けずに時間ばかりかかりがちになってしまいます。だから、解答する字数が長くなればなるほどこの作業が大切になります。


後は、書き上げた自分の解答を必ず見直すことです。この時自分が犯しがちな表記上のミス(誤字、文末の不統一、句読点の付け忘れ、同じ接続をする等)に注目して見直すとさらに効果的でしょう。


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