論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

読解力養成(説明文)⑥

今回は、説明文の読解のまとめの回にしたいと思います。説明文を読む場合、まず「話題」をつかみ、次に説明の仕方を考えます。「問題提起→答え」型なのか、「並列」型なのか、「対比」型なのか、どの説明の仕方なのかを考えて文章を読むのです。


文章によっては、前に挙げた3つの説明方法が使われていないこともあります。しかし、その場合でも普段から説明方法を意識して読むことにより、文章の大切な部分である筆者の主張をつかみやすくなるのです。


また、「問題提起→答え」型と「並列」型や、「対比」型と「並列」型など説明方法が2つ使われていたり、あるいは、3つすべて使って説明していたりすることもあります。説明方法が複数ある場合は、どの説明方法が中心になっているのかを考えるのです。  


要するに、説明文を読解したと言えるのは、筆者がどんな話題でどんな説明方法でなにを主張しているのかを理解した場合なのです。


だから、文章を読んでも話題、説明方法、筆者の主張が分からなければ、本当の意味で読んだことにはならないのです。間違うこともあるでしょうが、常に考えて読むことが大切です。このことをしっかり自覚しないと読解力は育ちません。


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読解力養成(説明文)⑤

今回は、「接続語」のお話をしたいと思います。


最近の中学入試では、以前に比べて「文法」があまり出題されなくなっているように感じます。その影響で、進学塾でも「文法」を扱う機会が減ってきているように思います。しかし、これは危ういなぁと思うのです。


なぜなら、「接続詞(接続語)」は学習するべきだと考えるからです。それは文法問題を解くためにではなく、文章読解に役立てるためなのですが。説明文は接続語の種類と働きを理解していると有利に読解できるのです。


例えば、形式段落のはじめに接続語がある場合はとても読みやすくなります。逆説(しかし等)で始まっていると、前の段落とは反対の内容になっていることが読まないでも分かります。同じように、順接(だから等‥‥前の段落が原因でその結果起こる内容になる)、並列・添加(また・しかも等‥‥前の段落と並ぶ、または付け加わった内容になる)、理由(なぜなら等‥‥前の段落の理由になる)、転換(さて等‥‥前の段落と話題が変わる)など読解の役に立ちますよね。


さらに役立つ点がもう1つあります。それは説明文の構成に関係しています。説明文では、筆者はわざと反対のことを述べてから、その後で本当に述べたいことを述べるという構成になる場合が多いのです。だから、逆説の接続語の後に述べていることが大切だと意識して読めます。


また、説明文では長々と具体的なことを書き、その後で簡単にまとめるという構成も多く見られます。だから、言い換えの接続語(つまり等)の後に述べていることはまとめであり、繰り返すということは大切な内容だとも言えるので、そのように意識して読めるのです。


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読解力養成(説明文)④

今回は、代表的な3つの型の最後の1つである「対比」についてお話します。「対比」とは、対照的な2つのものを比べながら説明する方法です。これも「並列」と同じように共通の基準も一緒に押さえなければなりません。


小学校3~4年生ぐらいでは具体的なものを比べることが多いのですが、例えば犬と猫を比べた場合を考えてみましょう。


どちらも「人間のペット」として人気のある動物ですね。しかし、様々な点で大きく異なります。例えば、「体格」で比べると一般的に犬は大きく猫は小さいです。また、「走ること」で比べると犬は長距離向きで猫は短距離向きです。さらに、「武器」で比べると猫のかぎ爪は犬の爪よりもするどく強力です。そして、「生活」で比べると犬は集団で猫は単独志向なのでおのずと習性が違ってくることが挙げられます。


上の例では「人気のある人間のペット」である犬と猫を「体格」「走ること」「武器」「生活」という基準で比べてますね。「並列」の時と同じなのですが、「対比」も比べていることは比較的簡単に分かりますが、比べる基準を見落としがちになるので注意しましょう。

ところで、小学校5~6年になると抽象的なものを比べはじめます。例えば、国と国の文化を比べる比較文化論です。国と国を比べると言ってもエジプトとインドを比べる文章は中学受験では扱いません。もちろん日本と外国を比べた文章が出てきます。


ここで何を言いたいのかというと、対比の型はあるものを説明するために対照的なものを出して比べているのだということです。対照的な2つのものが出てきますが、筆者が説明したいのは片方であることを意識して読んでくださいね。


最後に、「問題提起→答え」型や「並列」と同じように「対比」も印をつけて読むと分かりやすくなります。「対比」を示す「一方」「他方」や逆説の接続語「しかし」「ところが」「だが」は〇で囲みながら読むといいでしょう。


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