論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

読解力養成(物語文)⑤

今回は、物語の背景についてお話したいと思います。


背景とは、 物語の背後にある事情のことです。この背景も、物語文を読解をする上で大切な要素なんです。


例えば、こんな場面があったとしましょう。A君が誕生日に家に帰って来ると、真っ白なご飯が盛られた茶碗が置いてありました。さて、この時のA君はどんな気持ちでしょうか?


おそらく、気が強い性格の子は、自分の誕生日なのにご飯しかないのかと思い「腹だたしく」思うでしょう。逆に、気が弱い性格の子は、同様のことを思い「かなしい」気持ちになるでしょう。また、冷静な性格の子は、これは変だなぁと「不思議」な気持ちになるでしょうし、優しい性格の子は、ご飯が好きなので「うれしい」と思うかもしれませんね。


しかし、この場面が第二次世界大戦中の日本の都市部でのできごとだったとしたらどうでしょう?


戦争中や戦後間もなくの頃、特に都市部では物資が不足しただけでなく、食料も不足していました。だから、白いご飯は「銀シャリ」と言われ、とても貴重だったのです。ということは、先ほどのA君の気持ちは間違いなく「うれしい」になるはずですね。


このように、背景がが分からないと、登場人物の心情も分からなくなるのです。だから、背景は大切なんですね。


背景をつかむために、前書きがあればサラッと読まずにしっかりと読むことです。また、前書きがない場合は文中にヒントがあるはずです。以前「国語を苦手な子供たち③」で書きましたが、そのヒントから背景を理解するためにも、一般教養的な知識も必要になります


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読解力養成(物語文)④

今回も前回に続き心情把握の話をしたいと思います。前回が心情把握の基本なので、今回は心情把握の応用としておきましょう。


前回は前のできごとと後の行動の因果関係を基本に考えるという話でした。その際、心情語、心情を表す行動・様子、情景を参考にするのだと書きましたね。この情景というのは間接表現なので、直接表現の心情語、心情を表す行動・様子に比べて分かりにくいのです。ですから、少し掘り下げて考えたいと思います。


情景とは、登場人物の気持ちを表すために書かれた景色や周囲の様子のことです


簡単な例を挙げると、登場人物がうれしい時は晴れた空など明るい景色が描かれ、逆に登場人物が悲しい時は雨雲や曇り空などの暗い景色が描かれます。また、登場人物が喫茶店でイライラしながら人を待っている時に、店内にかかる不愉快な音楽や、登場人物が緊張しながらテストを受けている時に、周りの者が鉛筆で答えを書く音なども情景描写の一種です。


情景も分かりやすいものから分かりにくいものまでありますが、まずは、間接的に心情を表現する技法があることを知ることが大事です。景色の描写にも特別な意味を持つ場合があることを理解することです。


そして、登場人物に起こったできごととそこからとった行動や様子と一緒に、情景の意味を考えましょう


以前、素敵な情景描写だと感じたあるお話を簡単に紹介して終わります。


登場人物の少年は不登校児であり、あることから老人と出会います。その老人と交流を持つうちに信頼関係が徐々に生まれますが、そんな中、老人が倒れ入院します。老人の世話をする少年に対して老人は自分のリハビリの進み具合で少年とかけをします。老人がかけに勝ったら少年に学校に戻ることを要求して、老人は必死にリハビリをします。その際、病院の外には赤い夕陽の描写が何度も描かれるというお話だったと記憶しています。


この赤い夕陽は、もちろん情景ですね。老人が、少年のことを思いやる暖かい心情を表しているのでしょう。


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読解力養成(物語文)③

今回は心情把握の基本について書いていきたいと思います。


一般的に心情を把握するには、直接表現の心情語(うれしい、悲しい、もどかしい等)を探したり、心情をを表す行動(スキップする、うなだれる等)から考えたり、同じく心情を表す様子(顔を真っ赤にする、にっこり笑う等)から考えたり、あるいは、情景などの間接表現の意味を考えたりします。


しかし、心情把握の基本はやはり論理的思考だと考えます。物語文では、【「できごと→心情→行動」⇒「できごと~」】というふうに「できごと」と「心情」と「行動」が因果関係でつながり、さらに次のできごとへ因果関係でつながっていきます。この因果関係の連鎖に注目しましょう。


心情を把握するには前のできごとと、後の行動(様子)から考えるのです


例えば、Aさんは中学受験合格のために頑張って勉強し、入試を終えて合格発表を見に行く場面の話があったとします。


Aさんが校庭の合格掲示板を見て涙を流しながら飛び跳ねたとします。この時のAさんの気持ちを聞かれたらどう答えるでしょうか?泣いているので悲しいと考えますか?そうではなく、うれしいと考えますよね。


なぜなら、「中学受験のためにがんばり、その合格発表の掲示を見る」というできごとに対して「泣きながら飛び跳ねる」という行動(様子)ですから、自分の努力が報われて感動し、喜んでいるというのが読み取れます。


つまり、心情把握は、前のできごと後の行動の因果関係を基本に考え、心情語、心情を表す行動・様子、情景を参考にして総合的に考えます


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