読解力養成(韻文)⑤
今回は短歌について書きます。
短歌は「5、7,5,7,7」の5句31音からなる定型詩で、「5,7,5」を上(かみ)の句と言い、「7,7」を下(しも)の句と言います。
小学校によっては、百人一首を熱心に指導しているところもあります。そのため、短歌の集団授業は意外と子供たちには身近な存在で、受けが良いでしょう。
俳句との共通点が多く、リズム(5,7,5,7,7)ごとに鉛筆で斜線を書き込みながらよむことが基本ですし、詩でみられる表現技法(特に比ゆ、擬人法、体言止め、倒置法)がよく使われます。ちなみに、俳句は短歌の上の句が独立してできたものです。
短歌の読解では短歌独特の表現技法を2つ挙げておきたいと思います。
1つは枕詞です。枕詞は特定の言葉の上につける記号のようなものです。5音の言葉で意味はありません。
例えば、「草まくら」➡旅、「たらちねの」➡母、「ひさかたの」➡光 などです。
現在では意味はないが特定の言葉の上につけなければならない言葉ですが、元々は意味がありました。
例えば、「旅」の枕詞「草まくら」は、昔の旅は徒歩で野宿が多かったので、草を枕にして就寝したところから、草まくらをする旅とセットの言い回しになったのです。
ところが、後の時代になり野宿もしなくなったのですが、「旅」の上に「草まくら」をずっとつけてきたので、習慣的に「草まくら」を「旅」につけ続けたのが枕詞の始まりなのです。有名なものは覚えましょう。
もう一つの表現技法は掛詞です。1つの言葉に2つの意味をこめる方法です。
例えば、「よる」‥‥「寄る」と「夜」、「しのぶ」‥‥「忍ぶ(たえる)」と「偲ぶ(なつかしむ)」などです。
短歌や俳句では同じ作品がよく問題に使われているので、演習を通じて作品を覚えていくのも効率的な学習ですね。
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