論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

雑談(おとぎ話と教訓)②

おとぎ話と教訓についてお話したいと思いますが、前回書いたように教訓が分かりやすい場合と分かりにくい場合があります。そもそも、おとぎ話には必ず教訓が含まれているのでしょうか?


下の有名なおとぎ話を見て教訓を考えてみてください。


 金の斧と銀の斧
 アリとキリギリス
 鶴の恩返し
 オオカミ少年
 北風と太陽


有名なものばかりなのでストーリーは割愛しますが、教訓を簡単に書くと次のようになるのではないでしょうか。


は「正直なことはいいことだ」で、は「先を考えて準備をすることの大切さ」で、は「約束を破ってはいけない?」で、は「ウソをついてはいけない」で、は「人を動かすときは強引にするよりもおだやかに誘導する方が効果がある」。


ちなみにこの5つの話のなかで、以外はイソップ物語なのです。何を言いたいのかというと、イソップ物語は伝えたい教訓があるが、他のおとぎ話は教訓を含んでいるとは限らないということですは元々鶴を助けたから鶴から恩返しをされたという話なのですが、機を織っているところを覗かないという約束を破ったために正体がばれて鶴が去っていくので、教訓がわかりにくいと感じてしまいます。


イソップ物語は教訓を含むために全てのおとぎ話が教訓を含むものだと誤解してしまうのです。また、昔話を子供向けに書き換えられて、その話の伝えたいことがわからなくなる場合もあるでしょう。


しかし、教訓を含まないおとぎ話の教訓を考えることは読み手にとっては無駄なことではなく、話の主題を読み取る練習になるのではないでしょうか。また、語り手が道徳的な観点で教訓を考えて読み手に説明してあげることもいいのではないかと考えます


なので、次回からは教訓の分かりにくいおとぎ話の教訓を、考えてみたいと思います。


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雑談(おとぎ話と教訓)①

先日、中学受験の説明文の素材文としてよく扱われる外山滋比古さんの、「ことばの四季」という文章を拝見していると、赤ちゃんが最初に覚えるのが「母乳語」であり、次に覚えるのが「離乳語」であると書かれていました。


「母乳語」というのは、見たりさわったりできる具体的なものの名前が中心であると説明されていました。「おむつ」「ワンワン」「ブーブー」などですね。


しかし、「母乳語」だけでは人間らしい活動ができないので抽象的でウソをも含む「離乳語」を覚える必要があり、その「離乳語」は考える道具になるため「離乳語」は大切であり、小学校に入学するまでに学ばせる必要があると主張されていました


そして、「離乳語」を学ばせる手段として昔からおとぎ話を聞かせてきたのであり、超現実的な話、いわばウソの話を聞くことで、子供は言葉とは必ずしも事物の裏付をもっているとは限らないことを察知するようになると説明されていました。


この文章を読み、おとぎ話を子供に聞かせることがどれだけ大切なことなのかを再認識しました


わたしの場合も自分の子供の頃を振り返ってみると、おとぎ話を母親から聞いたり、絵本で読んだり、また有名なおとぎ話を収めたレコード全集を聞いたりして、楽しんだ思い出があります。


子供は大人と違い、同じ話を何度も飽きずに聞き、イメージをふくらませ、そのイメージの世界を楽しみます。こういった行為が言葉を理解するうえでとても重要なんですね


また、おとぎ話は子供に聞かせる話だからなのか多くの場合、道徳的な教訓が含まれています。そのことは、子供心にもなんとなく気づいていましたが、分かりやすい教訓を含む話と分かりにくい教訓を含む話があることも同時に感じていました


そこで、次回から有名ないくつかのおとぎ話を例に挙げて教訓を考えていきたいと思います。


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志望校の選び方④

今回は、3つ目の項目の「学校の指導はスパルタか生徒の自主性を重んじるタイプか」についてお話したいと思います。


これは中高一貫校の場合です。生徒への学習指導が勉強を強制する、いわゆるスパルタ式の指導をしている学校なのか、あるいは勉強を強制するのではなく生徒の自主性に任せる指導をしている学校なのかということです。


スパルタ式の指導では、宿題が多かったり、授業時間が長かったり、成績の悪い者に対して放課後や季節休み(春、夏、冬)に補習を行ったりするなど、勉強一色の学校生活になりがちです。勉強を嫌でもするように管理するわけですね


このような学校は、子供さんに何が何でも勉強に頑張って良い大学に進学させたいと願う保護者や勉強面のスパルタを面倒見の良さだととらえる保護者には支持されます。


一方で、生徒の自主性に任せる指導は生徒にとっては自由なイメージがあります。しかし、中高一貫校の場合、学校にもよりますが授業の進度は速く進むので、授業についていくためにはやはりかなり勉強しないといけないように思います。ただ、どのように勉強していくのかは生徒の自由です


授業の進度で勉強していく方法は人それぞれだと思いますが、一般的には、塾や予備校に通う者が多いと聞いています。


ですから、スパルタによる管理型指導や生徒の自主性を尊重する放任型指導、どちらがいいかは価値観によって決まることだと思いますが、ここで大切なのは向き不向きがあるということです


勉強一色の生活に耐えられない者やマイペースで勉強していきたい者にはスパルタ式は向いていないでしょうし、逆に計画性や自主性に乏しい、あるいは厳しさがないと怠けがちになる者には生徒の自主性を重んじるタイプは向いていないのではないかと思います。


どちらのタイプの学校を選ぶかは保護者の価値観で決まるところもあるのですが、一番大切なのは学校に通う子供の性質だと思いますので、受験勉強を通じて子供の様子をしっかりご覧になって頂き、子供の性質を把握して学校を選ぶのが良いように思います


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