論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

受験生に贈る「故事成語」④

人生、生きていればいろいろあります。受験生も調子が良く結果が出ている時もあれば、調子が悪くなかなか良い結果がでないこともあります。


そこで、今回は人生万事塞翁(さいおう)が馬という故事成語をご紹介したいと思います。


【意味】
人生における幸不幸は、なかなか予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ


【由来】
【昔、中国の辺境の塞(とりで)近くに翁(おじいさん)が住んでいました。ある時、この翁の馬が逃げ出してしまったので近所の人が気の毒に思っていましたが、翁は「このことが幸運を呼び込むかもしれない」と言いました。


しばらく後に、逃げ出した馬が戻ってきました。そのうえ、足の速い立派な馬を一緒に連れてきました。近所の人が喜んでいると、翁は「このことが禍(わざわい)になるかもしれない」と言いました。


不幸なことに、この馬に乗っていた翁の息子が落馬して足を骨折してしまいました。それで近所の人がお見舞いに行くと「このことが幸いになるかもしれない」と、翁は言いました。


やがて、戦争が起き、多くの若者が命を落とすことになりましたが、翁の息子は足を怪我していて戦争に行かなかったため無事でした。】


由来から分かる通り、どんなできごとが幸いするのか、または不幸につながるのかわからりませんということは、起こったできごとで慢心したり、絶望したりせずに、より良い未来につなげていこうとポジティブにとらえることもできるわけです


塾の模試の結果が良かったので、受験は余裕で合格だと気を緩めて手を抜いて勉強した結果、志望校に落ちたり、あるいは、塾の模試の結果が悪くて、改善点を考え必死で頑張り見事志望校に合格したりすることも、よくあることです。


また、合格の可能性を考えて第1志望の受験をあきらめ、第2志望の中学校に進学した結果、その学校の上位で入学したため学校で大切にされたり、居心地の良い環境で勉強できたりして、第1志望の下位で入学した場合よりも学力が大きく成長し、大学受験で良い結果を出すということもおおいに考えられます。


大切なのは、良いできごとに慢心せず、悪いできごとに悲観しないことですね。良いできごとと悪いできごとは背中合わせなのですから


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受験生に贈る「故事成語」③

今回は、受験直前の受験生によく言っていた故事成語をご紹介します。
それは人事を尽(つ)くして天命を待つです。


【意味】
できる限りのことをしたら、あとはあせらずに、結果は天の意思(運命)に任せるということ。


中学受験における受験勉強は、個人差はありますが小学生にとって長い道のりであったはずです。楽しい時もあったでしょうが、つらく苦しい時もあったはずです。


そういったいろいろなこと乗り越え、また、その過程で精神的にも成長して、いよいよ本番の受験を迎えることになりました。


さて、この時の受験生の心境はどういったものでしょうか?


いままでしてきた長い受験勉強をためされる瞬間であり、さらに、中学受験は高校受験と同様に浪人はありえないため、人生で一回きりの受験機会なのです。


そう考えると、おそらく受験生は不安になったり、緊張したりするはずだと思うのです。受験勉強はしてきましたが、実際には受験はしたことがなく、未知の経験をこれからしようとしているので当然でしょう。


そんな時に、この故事成語を話してあげるのです。目的は、自信をつけさせることと不安を取り除くことです。この故事成語に以下のようなメッセージを添えます。


「君たちは、今までよく頑張って勉強してきましたね。また、さぼると厳しい先生によくついてきてくれましたね。ここまでくれば大丈夫です。できる範囲でやれることはやってきたでしょう?後は結果を気にせずに試験で自分の力を出すだけです。きっと運が味方してくれるはずです。」


ただし、今まで受験勉強をさぼってきた者にはこの故事成語の効果はありません(笑)だから、指導者は、そのような悔いの残る受験をさせないように指導しないと、と思ってしまいます。


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受験生に贈る「故事成語」②

今回は、「老子」に書かれた言葉をご紹介します。
それは、上善は水のごとしです。


【意味】
最高の善は水のようなものでなければならない。 水は万物を助け、育てて自己を主張せず、だれもが嫌うような低い方へと流れて、そこにおさまる


つまり、淡々としてこだわらず、争わず、低い方へ流れていき、何かにぶつかっても自由自在に形を変える柔軟な生き方を、最も良い生き方だと言っているわけです。


また、老子によれば、水のように「争わず、低きところに留まる」生き方こそ堅く強いものに打ち勝つことができる秘訣なのだと書かれています。


小さな力でも、根気よく続けていればやがて大きな成果を得ます。「雨だれ石をうがつ」ということわざもありますね。


受験は競争だ、戦いだと気負うのも良いですが、その思いが強すぎるとしんどくなったり、人間関係に良くない影響を与えたりするかもしれません。


それよりも、目立たないことでも自分のなす学習をコツコツやることで少しずつ力をつけていったり、苦手なことや成果の出ないことのやり方をいろいろ考えて柔軟に工夫することで自分の問題を克服したりすることが大切なのではないでしょうか


争わず、目立たないが継続し、柔軟でありながら実は強いという水のような受験勉強ができれば、最高なのかもしれませんねぇ。


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