論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

雑談(おとぎ話と教訓)③

わたしが子供の頃におとぎ話を読んで初めて教訓が分からないと思ったのは人魚姫です。


人魚姫のあらすじ(wikipedia参照)


【人魚の姉妹の末の娘は誕生日に昇っていった海の上で、船の上にいる美しい人間の王子を目にする。嵐に遭い難破した船から王子を救い出した人魚姫は、王子に恋心を抱く。その後偶然浜を通りがかった娘が王子を見つけて介抱した為、人魚姫は出る幕が無くなってしまう。


人魚姫は海の魔女の家を訪れ、声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰う。その時に、「もし王子に愛を貰うことが出来なければ、姫は海の泡となって消えてしまう」と警告を受ける。更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるとも。薬を飲み、王子と一緒に御殿で暮らせるようになった人魚姫であったが、声を失った人魚姫は王子を救った出来事を話せず、王子は人魚姫が命の恩人だと気付かない。


そのうちに事実は捻じ曲がり、王子は偶然浜を通りかかった娘を命の恩人と勘違いしてしまい、その娘との結婚が決まる。悲嘆に暮れる人魚姫の前に現れた姫の姉たちが、髪と引き換えに海の魔女に貰った短剣を差し出し、王子の流した血で人魚の姿に戻れるという魔女の伝言を伝える。人魚姫は愛する王子を殺せずに死を選び、海に身を投げて泡に姿を変えた。そして、人魚姫は空気の精となり天国へ昇っていったが、王子はその事に気付く事はなかった。】


人魚姫は嵐に会った王子を助けるという良い行いをしたにも関わらず、王子に近づくために声と尻尾を失い、代りに歩くと痛みをともなう人間の足を手に入れ、さらには命まで失ってしまうわけですね。


これを読んだ時は、良いことをした者が悲惨な結果に終わることに驚きました。それまで読んだおとぎ話とは真逆だと感じました。人魚姫の恋が成就しないことは仕方ないにしても、死ぬことになるなんてひどい話だと、子供心に読み終わった後に切ない気持ちになったものです


子供の時には分からなかった教訓ですが、大人になってこの話の教訓を再び考える機会があり、その時に考えたことは、この話が書かれたのは今から200年以上も前だということです。だから、現代の感覚で考えると教訓が分からないが、昔の時代背景を考えると教訓が分かるのではないかと思いました。


200年前と言えば日本では江戸時代です。人魚姫はヨーロッパの作品ですが、ヨーロッパでも日本の江戸時代と同じように貴族や平民といった身分社会が色濃く残っていたはずだと思い当りました。


つまり、人魚姫とは人魚と人間という身分違いの恋をしてしまったために起こった悲劇を表現した作品なのではないのかと思ったのです。教訓は「身分違いの恋を戒める」ものなのではないかと


ところが、wikipediaによると、【どこまでも純粋に王子を愛しながらも、報われなかった人魚姫の悲しい恋の物語は、失恋を繰り返し、ついには生涯を独身で通したアンデルセンの、苦い思いが投影されていると言われている】だそうで、どうも無償の愛がテーマのようですね‥‥


昔は身分があって自由に恋愛できなかったと説明する方が、この救いようのない物語の悲しみを幾分でも和らげることができるように思うので、もし子供に人魚姫の教訓を話す機会があれば自分の解釈を話したいと思ってしまいます。


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