論理の国語

中学受験のことや、国語に関する様々なことを書いていこうと思います。中学受験を目指すご家庭や指導関係者の参考にになれば幸いです。

国語が得意な子供たち②

前回は読書によって国語が得意になるパターンを書きましたが、今回からは学習することで国語が得意になるパターンを考えたいと思います。


簡単に言うと「国語を苦手な子供たち①~③」で苦手の原因になる①「語彙不足」、②「考えて文章を読まない(読み方が分からない)」③「精神年齢が低い」状態にならないように学習すればいいわけですね。もう少し、具体的に書きましょう。今回は①「語彙」対策を取り上げます。


①「語彙」を増やすためには、やはり基本は辞書をひく習慣を持つことでしょう。小学校3~4年生の場合は、小学生用の大判の辞書がいいでしょう。個人差や状況にもよりますが5年生ぐらいから普通の辞書にかえるといいと思います。というのは、5年生(特に後半)レベルの素材文から抽象的な内容になっていくため、小学生用の大判の辞書には載っていない言葉が頻繁に出てくるからです。


ただ、辞書をひく習慣といっても大げさに考えないで下さい。


例えば、次の漢字のテストのために20~30の漢字を覚えないといけない場合に、意味が全然分らないものが1~2個あればそれを調べる。なんとなく意味が分かるものは別に調べる必要はありません。また、習った文章題で同じく全然意味がわからなかった言葉を調べてみる。あまり時間をかけずに少しだけ調べるほうが良いと思います。なぜなら、まずは習慣づくりが目的なので継続しないと意味がありませんからね。習慣ができてからあやふやな意味しかわからない言葉を調べるなり、調整してください。


また、①「語彙」だけでなく②「読み方」対策にもなるのですが、文章題を習ってきた場合、習った文章を音読することです。できれば保護者の目の前でです。音読の効果としては、まず文章に慣れてもらうということがありますが、文中で使われる言葉の意味や文章の大切なところを復習することができます。逆に言うとこれらのことが分からないと正しく音読ができません。だから、保護者は子供の音読を聞くことで授業を理解できているかがわかります。私が塾で指導していた頃は、3~4年生や国語を苦手な生徒に課題として与えていました。


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国語が得意な子供たち①

前回まで国語を苦手な子供たち①~③で、苦手になった原因を考えてきましたが、今回からその反対に国語が得意な子供たちの原因を考えたいと思います。得意な子供たちのパターンを「天性」によるものと学習によるものの二つに分けます。今日は「天性」で得意なパターンを考えたいと思います。


「天性」と言っても全くなにもしないという意味ではなく、国語の勉強をそれほどしていないのによくできているという意味です。だから、正確には天性ではありませんが、国語のセンスがとても良い状態です。


なぜこんな状態になるのでしょうか?

それは本を好きでよく読んでいるからです


な~んだ、当たり前のことじゃないか、と思われたことでしょうが もう少し考えましょう。


本を読むとどんなプラス作用があるのか?

①語彙が増える ②内容を考えて読む練習になる ③疑似体験を通じて精神的に成長したり一般的な知識が増えたりする ④読むスピードが速くなる

簡潔に書きましたが上記のプラス作用が考えられます。①~③は国語を苦手な子供たちの原因の反対の作用ですね。④はおまけみたいなものですが。しかし、こう考えると読書の力は恐るべしですね。


私も小学校3年~4年生の国語を苦手な子供たちのために、春休みや夏休みに読書感想文の課題を出したことがあります。読書習慣のきっかけ作りになればと思ったのですが、読んだ本が本人にとって面白かったかどうかがやはり一番大切です。時々、保護者からどんな著者の本がおすすめかを聞かれるのですが、入試によく用いられる著者の本よりも本人が興味があり、なおかつ読めそうな本をどうぞとすすめています。 


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国語を苦手な子供たち③

今回は語彙量が少なくなく、文章も考えながら読んでいるのに国語を苦手としている子供たちのことを書きます。そんな子いるの?と思われるかもしれませんがいるんですね。純粋な男の子にありがちなんですが…。それはなぜかというと、精神年齢が低めなので文章のジャンルによっては理解しづらいからなのです。物語文に多いですね。


例えば、恋愛ものによく出てくる三角関係から生まれる嫉妬という感情が、純粋な者にはわかりづらかったりします。この嫉妬という感情は当然良い感情ではなく、持たない方が良い感情なのですが、これが分からないとなぜ登場人物があんなことを言ったり行動したりするのか、話自体訳が分からなくなります。だから、悪い感情を本人が持つのは好ましくないが、存在さえ知らないというのは問題があるのかもしれません。そして、男の子には女の子の間接表現がわかりづらいというのもあるでしょう。


私見ですが、物語文で養成される究極の能力は他人を思いやる力なのではないでしょうか。いろいろな立場の人の気持ちを考えさせる問題等を見ていると、そんな気がします。


また、感情以外でも一般常識的な知識を持っているかどうかも大切です。


例えば、「防空壕」、「空襲」→戦時中で、「闇市」→終戦直後の時代(=食糧難)、「井戸」→昔の話等が分かるかどうか?易しい入試問題では前書きや注釈で説明してくれる場合もありますが、レベルの高い入試問題では説明なしですよ。


しかし、精神年齢が低い幼い子供でも、物語の背景となる一般的な知識を先生や保護者から学び成長していくので心配はいりません。様々な素材文を通して知識を増やしていくことも国語を学ぶ楽しさです。精神年齢が高い子供より少し時間がかかるかもしれないですが、長い目でみてあげましょう。


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